オービスの手前2kmでこのような表示と共に音声アナウンス、あるいはアラームが鳴る。

いよいよ日本でもスマートフォンが本格的なブレークを果たしたが、それに伴ってナビアプリの需要が急速に高まっている。画面が大きく、パケットは定額制プランが基本のスマートフォンは、ナビアプリと相性抜群だからだ。

こんなチャンスを逃さずバージョンアップしたのがiPhone用カーナビアプリの「全力案内!ナビ」だ。


◆また機能が増えた人気ナビアプリ

バージョン2.4への進化の目玉は、オービス通知機能の追加。つまり、道路に設置された自動速度違反取締装置の接近を、予め警告してくれる機能が搭載されたのだ。ピクッと触手が動いた人も多いのではないだろうか。声高に叫ぶ人こそあまりいないが、じつはオービス通知機能を求めている人は潜在的には非常に多いのだ。

このオービス機能の詳細も含めて、「全力案内!ナビ」の全般的な機能と使い心地を前後編に分けて紹介しよう。まずこのナビアプリのアウトラインを確認しておく。「全力案内!ナビ」はiPhoneの通信機能とGPSを利用したカーナビ/徒歩ナビアプリだ。地図データは必要に応じて通信でダウンロードするタイプで、価格はアプリ本体が900円/年と非常に低価格。アプリ本体は基本機能のみで、必要に応じてオプションで機能を増やせるのがほかにない大きな特徴となっている。

ちなみに、iPhoneのナビアプリというと、以前はアップル社の設けた制限のために極めて限定的な機能のアプリしか無かった。そのためあまりよくないイメージを持っている人もいるかもしれないが、それはすでに過去のことと断言できる。


◆機能をアップするオプションは3種類

アプリ本体の機能はナビとして必要最小限、といっても必要十分なもので、ごく普通に目的地検索や音声ナビが使える。iPhone4内蔵のジャイロを利用して精度を高める機能やPCサイトとの連携機能もあり、機能が限定されているといった印象はない。ただし、交差点拡大表示機能や経由地の設定機能はなく、これらの機能はアドバンストオプションを購入することで追加される。

アドバンストオプションは600円/年で、交差点拡大表示、経由地の設定、交差点名の音声案内、そして、目玉のオービス通知機能が追加される。ときどきナビを使いたいならアプリ本体のみ、使う頻度が高い、オービス通知を使いたいならアドバンストオプションも購入といった使い分けになるだろう。

オプションはあと二つあり、どちらも渋滞情報を取得するもの。VICS交通情報オプションとリアルプローブ交通情報オプションで、どちらも価格は900円/年となっている。特徴的なのはもちろんリアルプローブの方で、これはタクシーや全力案内!会員をプローブとして利用し、取得したデータを元に生成する独自の渋滞情報。VICSよりきめ細かな情報が得られ、「全力案内!ナビ」の大きな特徴となっている。


◆オービス通知の完成度を実感

概要を確認したところで、実際に使って見ながら特徴的な機能を紹介していこう。まず試してみたのは注目のオービス通知機能だ。

オービスを通過するルートになる目的地を設定し、実際に走行してみると、オービスの手前2kmで「注意して走行してください」といった音声アナウンスが流れ、画面上に目立つ赤い警告が表示される。オービス自体も監視カメラのようなアイコンで地図に表示される。

音声がオービスの通知にしてはインパクトがないが、設定で音声アナウンスをアラーム音に変更できる。こちらはかなり注意を引く音だ。感心したのは、反対車線のオービスは通知しないこと。当たり前のようだが、実はこれがそうでもない。オプションなどでオービス通知に対応したナビはいくつかあるし、ユーザーが独自に作成したオービスデータもインターネットで流通している。しかし、これらは単純に登録した場所に近づくと警告するだけで、車線の判別などしないものが多いのだ。

単純に言って、車線の判別をしないオービス通知は、その半分が「誤報」ということになる。だから実用にならないわけではないが、実際に使ってみると相当に煩わしい。全力案内!ナビはこうした誤報が無い。

さらに走行すると、別の誤報も解消していることがわかった。前方にオービスがあってもその手前で右左折するルートが設定されていれば、通知されないのだ。これも従来のナビのオービス通知で煩わしく思っていた点なので、よく出来ていると感心した。

このように、全力案内!ナビのオービス通知機能はこれまでになくよく出来ていて、完成度が高い。単純に近づけば警告するという従来のオービス通知とは一線を画する賢さがあるのだ。ただ、人によってはルート上でないオービスでも間違ってそちらに行ってしまう可能性はあるから、通知すべきと思う人もいるかも知れない。そもそも、全力案内!ナビのオービス通知はルート案内中でないと通知しない仕様なのだが、そこに疑問をもつかもしれない。このあたりは、可能性があればどんどん通知するべきか、無駄な通知はできるだけ避けるべきかという考え方の違いであり、全力案内!ナビは後者を取ったということだろう。

なお、現時点で登録されているオービスは日本全国で674台。友人の取締ポイントは登録されていない。


◆カーナビとしての実力を再チェック

順序があとになってしまったが、全力案内!ナビの総合的な実力について、改めてチェックしてみよう。以前はiPhoneがカーナビになるというだけで十分に評価できたが、現在では同種のアプリも増えているので、よりリアルに評価したい。

まず目的地検索は一般的な住所、電話番号などのほか、フリーワードやiPhoneの連絡先の参照が可能。フリーワードは単純に登録されている名称を検索するのではなく、柔軟な検索が可能。たとえば「コンビニ 品川」と入力すれば東京都品川区のコンビニを検索できる。店名に「コンビニ」が含まれている必要はない。

なお、目的地検索のメニューにジャンル検索がないが、「地図の中心付近」および「現在地付近」を選択するとジャンル検索ができるようになっている。合理的なメニュー構成と言えるだろう。

目的地を探したら次はルート検索だ。検索はサーバー側で行われるようだが、十分に高速で待たされることはない。ただ、検索条件は次官有せと距離優先、それに有料道路を使用するかしないかの選択しかない。思い通りのルートにするには経由地を登録する必要があるかもしれない。

ガイド機能も基本的にシンプル路線で、交通案内版表示やレーン表示はない。交差点拡大表示はアドバンストオプションによって可能になる。ただ、シンプル一辺倒ではなく、横画面にすると右左折する交差点名がリストになって表示される。これはなかなか便利だ。また、VICS交通情報オプションかリアルプローブ交通情報オプションを購入していれば、ルート、到着時刻ともに渋滞を考慮したものになる。

なお、地図の拡大、縮小はいつでもピンチ(2本指でつまむようにする操作)で可能。このアプリはできるだけiPhoneらしい直感的な操作を目指しており、そのためメニュー項目も極端に少なくなっている。そのため一般のナビ専用機と比較すると物足りなさを感じるが、慣れると非常に操作しやすい。

全力案内!ナビ バージョン2.4 全力案内はiPhone版をはじめアンドロイド版、WindowsPhone版、携帯電話版を展開し、さらにトヨタの提供するテレマティークサービスG-BOOKとも連携している。今やこの分野を牽引する存在だ。 アプリ本体のみでも十分使える機能がある。オプション購入はこのアプリの設定画面から直接できるようになっている。 オプション購入画面。購入すれば特に設定などを買えなくても新しい機能使えるようになる。 オービスに接近するとこのようにオービスのアイコンが表示される。当然ながら、オービスを通過すれば表示、アラームなどは消える。 全力案内!ナビ バージョン2.4 フリーワード検索はキーワードと地域を選択できるようになっている。しかし地域もキーワードとして入力することが可能だ。 周辺検索がそのままジャンル検索になっている。検索範囲を半径で100〜10000メートルまで指定できる機能は非常に便利。 案内板表示やレーン表示はなく、補助的な表示機能はアドバンストオプションによる交差点拡大機能のみ。素っ気ないが実用上の問題はない。