九州工業大学試作セル(直径6mm×長さ30mm)とセル封止面積比率

九州工業大学大学院の生命体工学研究科の早瀬修二教授と新日鐵化学は、次世代の太陽光発電「色素増感太陽電池」に共同開発した円筒型セル構造を活用することで、耐久性の向上に成功したと発表した。

円筒型受光面に対し封止面積が少ないセル構造の開発により、約70日間、1700時間にわたり発電効率が低下していないことを確認したとしている。

従来の平板型色素増感太陽電池は、2枚の平面状ガラス板の間に接着剤で壁を設け電解液を封入している。これに対し、今回開発した色素増感太陽電池のセルは、円筒型のガラス管を使って太陽電池を作製し、ガラス管の端面のみを封止すればよい。電解液を封止する部分の面積が平板型に比べて少なくなり、封止性が向上したため、耐久性が向上した。

また受光面を円筒型にすることで、光入射角の影響をほとんど受けなくなった。円筒管受光面で入射光が屈折して光が円筒形内部に集まり、これまでの研究では、発電量の低下は認められなかったとしている。

両者は現在も耐久性を評価中。電解液漏洩の少ない構造にすることで、高耐久性で低価格の色素増感太陽電池の実現が期待されるとしている。

光入射角度の依存性(九州工業大学測定データ) 円筒型色素増感太陽電池の構造