2008年2月に埼玉県熊谷市内で運転者の酒酔い状態を認識しながら同乗し、運転を容認したとして危険運転致死傷幇助の罪に問われた48歳と45歳の男に対する裁判員裁判の判決公判が14日、さいたま地裁で開かれた。裁判所は懲役2年の実刑を命じている。

起訴状によると、問題の事故は2008年2月17日夜に発生している。熊谷市佐谷田付近の県道を100km/h超の猛スピードで走行していた乗用車が、緩やかなカーブを曲がりきれずに対向車線側へ逸脱。対向車2台と接触・衝突し、3台に乗っていた8人が死傷した。

運転していた35歳の男は泥酔状態。その後の調べで事故前の約5時間に渡って酒を飲み続けていたことが判明した。その後、危険運転致死傷罪で起訴され、懲役16年の刑が確定しているが、事故前に男と一緒に酒を飲み、泥酔状態を知りながらクルマに同乗していた2人ついても「危険運転の幇助に当たる」と判断。異例の起訴に踏み切っていた。

14日に行われた裁判員裁判の判決公判で、さいたま地裁の田村真裁判長は被告2人の年齢が、クルマを運転していた男よりも10歳以上も年齢が上だったことについて触れ、「被告2人が運転を止めるように説得することも可能だったにもかかわらず、運転を了承したことで運転者が飲酒運転の意思を強固にした」と指摘。幇助の成立を認めた。

さらに裁判長は「被告2人は運転者が正常に運転できないことも認識していた」と指摘。「飲酒運転に対しての無責任な了解が悲惨な事故を引き起こした。結果は重大で、反省の態度もみられない」として、2人の被告に対して懲役2年の実刑判決を言い渡した。

危険運転の幇助で裁判員裁判の判決が出るのは今回が初めて。被告側は控訴するとみられる。