小売業の倒産推移

帝国データバンクでは、2010年の小売業の倒産について、件数・負債推移、業態別、地域別、態様別、規模別、大型倒産について集計・分析した。

2010年の小売業の倒産は1343件発生し、前年比で12.0%減少した。月別の推移でも8月には前年同月比32.8%減となるなど、5月と6月を除くすべての月で前年同月を下回った。減少率は過去10年間で初めて2桁を記録した。

これは中小企業金融円滑化法や景気対応緊急保証制度などの金融支援策が奏功したほか、エコカー補助金や家電エコポイントなどの消費刺激策が大きな下支えとなったためと見られる。

負債総額は1961億3100万円と、大型倒産の減少が2年連続で前年を下回ったことも影響し、初めて2000億円を割り込んだ。

業態別にみると「自動車販売」は164件で前年比16.8%減。「家電販売」は61件で同19.7%減となり、エコカー補助金や家電エコポイントなどの政策効果のあった業態での減少が顕著だった。

「衣料品販売」は292件で前年と同水準で、「飲食料品販売」は304件で同7.0%の減少にとどまった。

地域別では「中国」を除く8地域で前年を下回った。特に「北陸」「四国」は、過去最多だった前年からの反動もあって前年比30%を超える大幅減となった。件数では、「関東」が437件でトップとなり、「近畿」の371件と合わせた2地域で全体の6割を占めた。

態様別では「破産」が1267件で全体の94.3%を占めた。「特別清算」は26件。事業継続を前提としない清算型の倒産が大半を占めた。

事業継続を前提とする『再建型』の「民事再生法」は50件で「会社更生法」は0件だった。

2010年の小売業の倒産は、前年比12.0%の減少となり、特に「自動車販売」や「家電販売」の減少が目立った。しかし、3月末には緊急保証制度の終了が決定しているほか、家電エコポイント制度も終了する。金融円滑化法は延長の可能性が高いものの、このまま消費低迷やデフレが長期化すると、2011年は再び小売業倒産が増加基調で推移することも懸念されるとした。