東京商工リサーチは、新日本製鐵と住友金属工業の合併に向けた検討開始を受けて、両社の取引先の分布調査を実施した。

東京商工リサーチの企業相関データベースを使ってそれぞれの仕入先・販売先を一次取引先(直接取引先)と二次取引先(取引先の取引先)を抽出し、企業数や地域別分布、両社に重複する取引先をピックアップ、影響の及ぶ規模を調べた。

それによると新日鉄の一次販売先は、大都市圏の関東が151社と全体の44.8%で半数近くを占めた。次いで近畿の58社、九州の44社、中部の40社の順で、都市圏の大手メーカーが存在する地域が中心になっている。

住金の一次販売先のトップも関東が108社、全体の41.5%を占めて最も多い。次いで、近畿の79社、中部の38社の順。3地区で全体の86.5%を占め、地域的な集中が目立った。八幡製鉄所を全身とする新日鉄と比べ九州が低く、近畿の割合が高い。

新日鉄の一次仕入先は2120社で、このうち関東が759社で構成比は35.8%。これに続くのは九州で505社、23.8%を占めた。九州は八幡製鉄所を起源とする八幡と、大分に高炉を持つことが影響している。近畿が407社、中部は187社だった。

住金の一次仕入先は916社で、本社が大阪にあり、関西財界のリーダーということもあって近畿が477社、全体の52.1%と最も多く、関東は306社、33.4%。関東は首都圏のほか、鹿島(茨城県)に持つ主力高炉の存在が影響している。この2地区で全体85.5%を占めて新日鉄と異なるため、合併の影響は限定的と見られる。

重複取引の調査では、一次販売先での重複は37社で新日鉄の一次販売先の10.9%、住金の14.2%にとどまる。系列商社や販売代理店のすみ分けが比較的明確な鉄鋼業界独特の商習慣を反映している。

ただ、二次販売先に範囲を広げると、それぞれ30.6%と36.1%にまで拡大する。

一次仕入先での両社の重複は170社。新日本製鐵は一次仕入先数の8.0%だが、住金は18.5%にものぼる。重複企業の地区別分布では、関東の78社が最も多く、近畿が52社、九州が24社の順だった。取引は各地にまたがっても、大都市に本社を構える企業が多いため、重複は大都市圏に集中しがちだが、新日鉄の生産拠点がある九州の割合が高いことが目立つ。

二次仕入先の重複1379社で、新日鉄は22.1%なのに対して住金では46.8%に達し、2次仕入先の半数弱が新日鉄関連との取引がある。

東京商工リサーチでは、大手企業同士の合併では取引窓口の再編は避けられず、影響は二次取引先から波及する可能性もあると指摘している。