リーフの生産ライン

調査会社の富士経済は、「2011ワールドワイドロボット市場の現状と将来展望」を発表した。

報告書は自動車関連やエレクトロニクス関連分野の製造工程で溶接や塗装、組み立て、搬送などを自動化する製造業向けロボットと、家事や生活、医療/介護、業務などを支援/補助、代替する非製造業向けロボットの市場を調査してまとめたもの。製造業向けロボットは溶接・塗装系(ロボット)4品目、組立・搬送系7品目、アクチュエータ系3品目、クリーン搬送系2品目の計16品目を対象に、2013年までの世界市場を予測した。

非製造業向けロボットは家事/生活支援(ロボット)3品目、医療/介護/手術3品目、業務7品目、農業1品目の計14品目を対象に2020年の国内市場を予測した。

製造業向けロボットの2009年市場は、不況の影響で前年比40%以上縮小したものの、2010年は一転して前年比69.0%増の3618億円と、経済危機前の水準にまで回復した。

特に自動車関連分野や半導体・液晶などのエレクトロニクス関連分野で設備投資が旺盛だったことや、これまで人手に頼ることが多かった中国でも人件費高騰を背景に、ロボットによる自動化が急速に進んだ。

2013年には日本、欧米市場の緩やかな回復と、アジア市場の一層の成長が予想され2010年比1.4倍の4996億円を予測する。

2010年の市場をカテゴリ別のシェアで見ると溶接・塗装系が39%、組立・搬送系が29%、アクチュエータ系が8%、クリーン搬送系が24%だった。今後、先進国ではパラレルリンクロボットや垂直多関節(スリム・高速・双腕タイプ)ロボットなど、組立・搬送系が大きく伸びると予測している。

アーク溶接ロボットの2010年の市場は633億円だったが、2013年には813億円に拡大すると予想する。アーク溶接ロボットは主に自動車、二輪車の足回り、ボディ、シャシー、給排気系部品などの製造に使用される。日本や欧米の需要は緩やかに回復しているものの、自動車関連分野の需要は飽和状態で、大幅な拡大は見込めず、補修や更新需要が中心になると見られる。今後、増産のための設備投資が活発な中国をはじめ、新興国の需要に牽引されると予測した。

垂直多関節ロボット(スリム・高速・双腕タイプ)は2010年が41億円で、2013年に129億円を予測する。日本、欧米やアジアなどの地域でも自動車関連分野以外にアパレル、物流、工作機械分野など、需要分野が拡大している。今後もロボットメーカーやセットメーカーシステムインテグレータが連携することで用途開発が進み、自動車関連分野の設備投資も回復する見通しであることから、市場は拡大する見込み。

パラレルリンクロボット市場は、2010年が64億円、2013年が172億円を予想する。日本市場の本格的な立ち上がりには時間がかるとしているが、新製品の投入などにより徐々にニーズが拡がっている。欧米では、従来からの主要分野である食品・医薬・化学品に加えて、自動車電装部品や太陽電池製造向けに需要が拡大している。アジアではエレクトロニクス製品の生産受託を行う大手EMS向けに2012年以降需要が顕在化すると予測する。