ヴィッツ

トヨタの新型『ヴィッツ』は、旧型モデルのボディを流用しながらも、ホイールベースが50mm、全長が135mm延長されるなど、一回り大きな車に生まれ変わった。同時に軽量化も進められているのが特徴だ。

新型ヴィッツは、1.3リットルFWD(前輪駆動)車の車両重量が全グレード、1000kg以内に収められるなど、非常に軽く仕上げられている。

「ボディサイズを拡大し、衝突安全のための強度もさらに上げる必要があったことから、そのままでは重量が8.1kg増えるという計算が出ていました。重量増を抑えるため、トヨタのコンパクトカーとしては初めて、980MPa(メガパスカル)級の超高張力鋼板を使ったのをはじめ、いろいろな部分の構造を工夫して、その重量増を1kgにまで縮小させました」 。

ボディ設計を担当した永田秀明氏は、軽量化の努力についてこう語る。たった7.1kgという気がするが、ホワイトボディのちょっとした重量の違いが、車軸やサスペンションのスペックをはじめ、あらゆる部分に影響を与える。結果的には数十kgの違いとなる、重要なファクターだ。

ちなみに980MPa級の高張力鋼板は、欧州製のコンパクトカーにはよく使われているものの、本来はグローバルカーには向かない。高級な鋼板を調達しにくい新興国で作るときに不都合があるからだ。日本でのライバルモデル、ホンダ『フィット』などは、世界で作ることを考慮し、超高張力鋼板の比率を減らしながら必要な強度を保つという設計概念で作られている。

新型ヴィッツはグローバルカーではあるが、トヨタは新興国向けには先ごろインドで発表した低価格車『エティオス』で対応するなど、市場の特性に合わせてモデルを分けるという戦略を打ち出している。ヴィッツの生産の主体となるのは日本やフランスなど先進国工場で、ターゲット市場も欧州をはじめ、成熟市場が主体。その意味では、完全に先進国型のモデルといえる。

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