田中貴金属工業は、2010年の年間投資用金地金、プラチナ地金の販売量と買取量の数値(指数)をまとめた。それによると、金地金の平均価格は1g当たり3480円となった。

国内で最高値となった1980年の4499円以来、30年ぶりの高値圏で推移している。中国、インドなどの新興国の中央銀行や公的機関が金の保有を増やしたことを背景に上昇してきた金の国際価格は、ギリシャの金融危機を受けて4月以降上昇し5月、6月と史上最高値を更新した。

7月に欧州経済危機の沈静化で金価格も下がったものの、8月後半以降、アメリカの景気回復減速感から再び上昇した。11月にはアイルランドをはじめとする欧州諸国の経済危機不安が再燃するとさらに上昇、1トロイオンス=1400ドルの大台を突破し、12月には史上最高値となる1426ドルを記録した。

販売量は、2010年上半期は、前年同期と比べ1.4%減となったが、下半期は同7.6%減となった。12月7日に2010年最高値をつけた。2010年を通してみると前年比4.1%の減少にとどまっている。

買取量は同4.8%の増加となった。平均価格が2009年の2951円から500円近く上昇し、30年ぶりの高値圏を推移する中、販売量が微増なため、投資家からの安全資産である金への投資姿勢が強まっている。

一方、プラチナ地金の平均価格は1g当たり4637円で、前年の平均価格3717円から900円以上上昇した。

2010年1月、ニューヨーク市場でのプラチナETFの上場や中国などの新興国での自動車販売台数の拡大を背景に4月には5000円の大台を突破し、4月27日には2010年最高の5385円となった。

自動車触媒需要が高いプラチナ地金は、5月以降、ギリシャの金融危機が深刻化したことで欧州でのディーゼル車向け自動車需要の低迷懸念から値を下げ、8月には一旦4197円にまで下がった。その後は中国などの新興国の自動車販売台数が引き続き堅調なことや、金相場に連動して投資資金が流入したことから再び上昇し、4600円前後の高値圏で推移している。

ここ3年間、販売量、買取量ともに急速に活発になったことから、一般投資家の中にも、プラチナ投資に対する認知が浸透し、投資需要は高まっているとしている。

さらに今後は、中国をはじめとする新興国の自動車需要や排ガス規制の動向、価格が連動しやすい金価格の行方が注目される。