6000億円もの「覚書」には、何の返済計画もない

財政事情の悪化を理由に、自動車賠償責任保険の運用益約6000億円を一般会計に繰り入れたまま、2017年度まで返済を先送りする覚書が、馬淵国交相と野田佳彦財相との間で10年12月22日取り交わされた。

同様の覚書が自民党政権で過去3回取り交わされたが、2011年の返済期限を定めた覚書は、結果的にゼロ円返済。その一方で金融庁の諮問機関「自賠責審議会」は、自動車ユーザーが負担する保険料率の値上げを規定路線として議論が進んでいる。

覚書は今回で4度目となる。2000年に石原伸晃国交相と谷垣禎一財相の間で取り交わされた覚書が実行されなかったが、その覚書の内容は、返済期限などの日付以外、ほとんど変わりがない。

合意内容は2点あり、以下の通り。

1. 平成6年度及び平成7年度における自動車損害賠償責任保険再保険特別会計(現、自動車安全特別会計)から一般会計に対する繰入金の残存額については、従来の大蔵省と運輸省の間の合意事項を維持することとするが、平成6年2月10日付けの大蔵大臣及び運輸大臣間覚書(蔵計第238号、自保第38号)記2の「平成17年度から平成23年度」を「平成24年度から平成30年度」に改めることにする。

2. 毎年度の具体的な繰戻額については、一般会計の財政事情、自動車安全特別会計の収支状況等に照らし、財務省及び国土交通省が協議の上、決定することとする。ただし、自動車安全特別会計の事業の運営上、予期しない資金手当の必要が生じると見込まれる場合には、同事業の実施に支障が生じないよう、平成30年度以前であっても繰り上げて必要額を繰り戻すこととする。

同様の内容は20日の自動車損害賠償責任保険審議会でも提示された。