富士経済は、小型モーターの世界市場を調査し、その結果を「精密小型モータ市場実態総調査2010」にまとめた。

報告書は、世界の小型モーター市場の日系モーターメーカー、車載モーター分野の部品/材料動向を調べた。注目を集めている磁石市場を中心に部材メーカーの動向もまとめた。

海外モーターメーカーでは、アジアを中心に台頭する有力企業を分析したほか、車載用小型モーター市場にも注目。従来車種と今後拡大が見込まれる電気自動車(EV)、ハイブリッドカー(HV)への採用動向を調べた。

2009年の小型モーター市場は、79.1億個、金額ベースで1兆5700億円と、自動車用途などで回復が遅れたものの、情報機器やAV関連が安定的に成長した。

2010年の市場規模は、中国を筆頭とするアジア市場の伸びや家電を中心にインドなど新興国の需要拡大で、前年比19.1%増の94.2億個まで増加した。アジア市場の需要拡大が世界のモーター増産の推進力になっている。

2012年には、ガバナレス、ステッピング、軸流ファンの各モーターを中心に120.6億個、出荷額ベースで2兆2000億円に達すると予測する。

日本市場は自動車向けや家電向けなどで一定の需要はあるものの、大半の分野で飽和状態が続いており、2011年以降もアジアを中心とした出荷が増える見通し。

ガバナレスモーターは2010年も、情報機器向けの回復に加え、新興国向けの自動車の需要の増加、特に中国、インドなどの引き合いが急増して前年比で22%増加。2011年も10%以上成長する見通し。

ブラシレス、軸流ファン、ステッピングの各モーターも2010年以降は右肩上がりの成長が予測される。

ただ、日系メーカーが得意とするブラシレスモーターやステッピングモーターの領域に、アジアメーカーが台頭。低価格化が加速すると見られ、日本以外のアジアメーカーのシェア拡大が見込まれる。

軸流ファンモーターは、台湾勢のノートパソコン向けが増加、日系の高付加価値製品との二極化が鮮明になっている。新たにEVやHVに搭載するバッテリーやインバーターの冷却用モーターなどに対する需要が生まれている。

2010年、日系メーカーによる小型モーターの出荷見込みは、17.2%増の53億1572万個。金額ベースで13.4%増の1兆1076億円となった。日系メーカーの世界市場シェアは、ブラシレスモーターの数量シェアが59.5%、LSステッピングモーターが57.7%など高いシェアを持つ。

日系メーカーの車載用小型モーター市場(ガバナレス、ブラシレス、ステッピングモーター)は、2010年、自動車メーカー各社の生産台数回復により国内市場が拡大。欧州やアジアの自動車メーカーからの受注も急増した。アジアの潜在需要の高さから2011年以降も市場拡大が予想される。

特にアジアや新興国で、電子スロットルモーターや電動ステアリングモーター、電動パワーシートモーターなどの需要が急増しており、電動ミラーモーター、ドアロックモーター、ドアロックモーターなどの需要増が見込まれる。