撮影=石田信一郎

上限料金制はETC車だけでなく全車に適用する方向だが、池口国土交通副大臣は9日、こんな話もしている。

「時間帯割引やエコカー割引にはETCが必要だ」

トラックなど大型車は上限制がなく、大口多頻度割引と時間帯割引が主体だ。すでに、有料道路を利用する業務用車両では、かなりの割合でETC取付が進んでいるが、これらの区分に該当する車両は高速道路の利用ではETCは欠かせない。

乗り換えが進むエコカーについては普通車も同様だ。エコカーはプリウスやインサイトのように一見してわかるHV(ハイブリッド車)ばかりではない。EV(電気自動車)の広がりとともに、外見ではエコカーかどうか見分けがつかない車両も増える。ETC車載器にはセットアップ時に車両情報が登録されているから、その情報をもとにエコカー割引が適用できる。

本四道路は具体的な料金提示が先送りされたが、NEXCO系道路と他の有料道路との接続割引にもETCは便利だ。

さらに、対距離制の導入が決まった首都高速や阪神高速ではETCが必須となる。都市高速にはNEXCO系高速道路のように料金所が出口にない。起点は通行券の発行で証明できても、終点(降りた場所)はETCの出口アンテナで確定するしかない。

そのため対距離料金制を最初に発表した当時の大臣だった前原誠司外相は、「現金利用車は上限料金を払ってもらうしかない」と、話している。現在検討されている対距離料金制は500円から900円だ。現金利用車は一律900円ということになる。

上限料金が全車に適用されるようになっても、高速道路を利用する車両はETCを取り付けたほうが有利ではある。

ただ、ETC車載器とその取付料は無料ではない。例えば、二輪車ETCでは、安いモデルを選んでも取付料込みで3万円前後必要だ。料金割引のために新たな負担を強いられるというのは、一般的なビジネスではあり得ない。

そもそもETCの導入は人件費などのコストを削減し、料金引き下げに役立てるということで始まった。その原点に戻れば、通行料を支払うためだけに利用者がETC購入費を負担している中で、割引対象を全車に広げるためには、国交省がETC展開の方向性を、まず利用者に示すべきなのだ。