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帝国データバンクは、鉄道車両・同関連部品メーカーの取引構造について調査・分析した。鉄道車両業界の調査・分析は今回が初めて。

調査結果によると、鉄道車両関連メーカー569社の本社所在地を都道府県別にみると、東京都が111社で最も多く、次いで大阪府の83社、神奈川県の59社と続く。市区別では、航空機部品を製造する企業なども多く所在する東京都大田区がトップだが、日立製作所の車両工場がある山口県下松市をはじめ、車両メーカーの工場付近に集積している。

569社を製造品目別に分類すると、車両(完成車両メーカーの下請け、鉄道システムメーカーを含む)が12社、機械部品(軸受、台車、制輪子など)が245社、素材(金属加工、ガラス、ゴム、シート素材など)が207社、電気機器(信号保安装置、主要電気装置など)が105社。

売上高レンジ別にみてみると、車両メーカーは売上高1000億円以上の企業が約4割を占めた。機械部品、素材については5億円未満の企業が約半数を占め、比較的小規模な企業で構成されている。

電気機器についても5億円未満の企業の割合がもっとも高いものの、10億円以上、100億円未満の企業も約3割を占め、機械部品や素材と比較すると規模の大きい企業が多い。モーターや制御装置などの主力部品が含まれる電気機器メーカーは、大手・中堅電機メーカーが中心なため。

鉄道事業者は、同じ型の車両を大量に発注する場合、複数の車両メーカーに製造を依頼する場合が多い。車両メーカー側の工場のキャパの問題や、地震など災害時のリスク分散、価格競争によるコストダウンなどが理由。

主力部品は、鉄道事業者が購入した上で、部材支給の形をとるのが一般的。その他細部の部品製造や加工については、車両メーカーの製造工場付近に集積する協力企業が手がけるケースが多い。

また、車両メーカーの工場で行う最終組み立てには、単なる「組み立て」にとどまらない高度な技術が必要で、同じ仕様書に基づいて製造された同じ型の車両でも、車両メーカーによって外観や性能に差異が生じる。

これら調査の結果、日本の鉄道車両製造は「職人技」に支えられていると分析する。このため仕様書に細かい指定はなく、メーカーの裁量に委ねられている部分も多い。

一方で海外の多くの仕様書はどのメーカーが製作しても同じものができるように細部にわたって指示があり、職人技はなじまない。今後、海外での案件が増えれば、川崎重工業の米国工場のように現地に工場を持つケースも増えてくることが予想される。現地化が進めば、職人技に頼ることは困難で、これらの技術をマニュアル化・機械化していくことが車両メーカーの課題と指摘している。

総武線 鉄道車両関連メーカーの本社所在地と車両メーカーの工場分布 鉄道車両メーカーと関連部品メーカーの取引構造