今年2月、福岡県北九州市小倉北区内で暴走中のバイクへ故意に追突する事故を起こし、男性2人を死傷させたとして、殺人などの罪に問われた35歳の男に対する裁判員裁判の判決公判が9日、福岡地裁小倉支部で開かれた。裁判所は懲役18年の実刑を命じている。

起訴状によると、問題の事件は2010年2月21日の午前1時ごろ発生している。北九州市小倉北区霧ケ丘3丁目付近の国道10号を走行していた乗用車が突然加速。前方で蛇行運転をしていた暴走族のバイクに突っ込んだ。

これによってバイク2台が転倒。うち1台に乗っていた18歳の男性は約20mひきずられた際の受傷が原因で即死。もう1台に乗っていた17歳の男性も軽傷を負った。クルマを運転していた男はそのまま警察へ直行。「自分が事故を起こした」と申告したが、警察は殺人や殺人未遂容疑で逮捕。検察も同罪で起訴していた。

公判で被告は暴走族を敵視するような発言や、自らの行為を正当化するような発言を繰り返していたが、9日に行われた裁判員裁判の判決公判で、福岡地裁小倉支部の大泉一夫裁判長は「バイクから転倒して路上に投げ出された被害者が手を上げて、被告のクルマを制止したにもかかわらず、被告はこれを無視してアクセルを踏み続けた」と指摘。被告の行為を「極めて危険で、情け容赦のない卑劣な犯行である」と断じた。

さらに被告が「今回と同様の状況になれば、また同じことをするだろう」と公判で陳述していたことにも触れ、再犯の可能性が高いことを裁判長は指摘。「被告は自己中心的な考えで犯行に及び、その考え方が間違っていると認めず、反省もしていない」として、被告対して懲役18年の実刑判決を言い渡した。