トヨタ自動車は、農業・食品産業技術総合研究機構九州沖縄農業研究センターと共同で、品種改良を効率化できる遺伝情報解析技術を開発した。

技術の中核となる高精度DNA解析技術をトヨタが開発し、この技術をベースに同センターがサトウキビの特性評価を、トヨタが遺伝情報解析をそれぞれ担当、技術を統合した。トヨタは、今回開発した技術により、サトウキビの育種期間の大幅な短縮と特性の向上を目指している。

作物の品種改良は従来、過去の膨大な育種実績に基づいて両親になる品種を選定・交配し、長期間多数の子孫を評価することで、目的の特性を持つ子孫を新品種として選抜していた。

これに替わる画期的な品種改良技術として、イネやトウモロコシでは、遺伝情報を利用して特性を予測する「マーカー育種技術」の実用化が進められている。しかし、サトウキビはDNA量が多いため遺伝情報の解析が困難で、マーカー育種技術の適用も難しかった。

トヨタはDNAマイクロアレイ技術をベースとして大量のDNAを高精度に解析する技術を開発。これまでより精度が5倍高いサトウキビの遺伝地図の作製に成功し、重要遺伝子の位置特定と品種改良への応用が可能になったとしている。

今回、遺伝情報解析技術を開発したことにより、目標に掲げている「サトウキビ育種期間の50%短縮」に大きく前進できるとみている。糖生産性向上や耐病性強化によってサトウキビの増産につなげる。

今回開発した高精度DNA解析技術は、DNA解析が難しいとされているサトウキビ以外の他の作物にも適用ができる。

トヨタでは今回開発した技術がバイオ燃料の普及促進などにとどまらず、食糧増産や環境保護にもつながる社会的に有意義な技術である判断、幅広く活用するため、積極的に情報開示・提供していく方針だ。

トヨタと同センターは12月7日から神戸市で開催される第33回日本分子生物学会で今回の技術を発表する。