GARMIN Oregon450TC

本格的な登頂に挑戦する登山家から手軽なハイキングやトレッキングを楽しむ人まで、幅広く好評を得ているというGARMINのハンドヘルドGPS『Oregon450TC』。その性能と使い心地を体験してみた。

◆立ち止まって地図を確認、三軸コンパスの威力を実感

本格的な登山とまではいかないが、山岳ハイキングに持ち出してみた。とりあえず電源を入れてGPSの受信状態を確認してみる。山の中は受信状態がよさそうに思えるが、頂上や尾根以外では上空が開けた場所が少なく、意外とGPSにとって厳しい場所なのだ。しかし本機では受信状態に問題なし。この感度の高さはGARMINの伝統ともいえる。

本機のようなハンディGPSで最も頻度の高い使い方は、立ち止まって現在位置と方角の確認だ。おそらく、本格的な登山であってもこの初歩的な使い方がメインとなるのは同じだろう。しかしこの使い方はGPSが最も苦手とするところでもある。というのも、GPSは移動していないと方角を測定できないからだ。ケータイやPNDの徒歩ナビを使ったことがある人ならこれがいかに不便か分かるだろう。街中なら不便で済むが、山の中ではもはや実用にならないと言っていい。

そこで、多くのハンディGPSは電子コンパスを搭載している。しかし、一般的な二軸電子コンパスを動作させるためには本体を水平に保持しなければならない。これが意外と面倒で、水平の画面を見るのは不自然な姿勢になるし、日差しが強い時などは本体を垂直にしないと表示内容が見えない。しかし、本機は三軸電子コンパスを採用しているため、本体の向きに関係なく正しい方角がわかる。この快適さは体験してみないと分からないかもしれない。


◆目的地を設定するとその方向と距離を表示

地図の表示は直感的に分かりやすい工夫がされており、等高線を見慣れていない人でも地形の起伏を理解できる。これは地図データに含まれるDEM(デジタル標高データ)に基づいて、色彩に陰影をつけているからだ。地図が描画される瞬間を見ると、陰影があとから付けられているのが分かる。しかも、このような高度な処理をしていながら、スクロールがストレス無くスムーズだ。

とりあえず目的地を検索、設定してみた。すると、ピンク色の直線で目的地の方向が表示され、コンパスの画面などでは目的地までの直線距離が表示される。しかし、それだけだ。ルート検索させることもできるのだが、考えてみると山の中では現在位置と方角、周辺の地図が見られることが重要。カーナビのようなルートガイド機能は必要なく、目的地の方向・距離だけがわかれば十分なのだ。

ほかに山の中で重要な情報といえば、高度がある。ハンディGPSでは地図データから標高を割り出すこともできるが、本機は気圧高度計を装備しているので、GPSの測位誤差をカバーし、誤差3メートルの測定が可能だ。また、単に現在の高度を表示するだけでなく、高度の変化をグラフ表示することもできる。

縦走とまではいかなくとも、ある程度まとまった距離を歩くときに利用価値が高いのがトリップコンピュータだ。ひとつの画面に移動スピード、全体平均速度、停止時間、目的地所要時間などを表示できる。停止時間とはつまり休憩時間ということなので、急ぎすぎず、休みすぎずといったペース管理に便利そうだ。なお、トリップコンピュータに表示する項目はカスタマイズ可能で、方角や標高なども表示できる。


◆おまけではないカーナビ機能 遠くを見渡せる3D表示も可能

つぎはカーナビとして使ってみた。GARMINのPNDと基本的に同じ地図がプリインストールされているのだから、当然ながらカーナビとしての機能にも期待がかかる。

使ってみた率直な感想は、「ここまで出来るとは思わなかった」。目的地の検索からルートの設定、遠くを見渡せる3D表示の地図まで、地図データだけでなく機能もGARMINのPNDとほとんど同じなのだ。本来の用途と違う使い方をしている無理矢理な感じは全くなく、普通に使えてしまう。

ただし、ガイド機能は最低限。交通案内板表示やレーン表示、ハイウエイモードもない。また、ボイスガイドもなく、曲がるべき交差点が近づくと電子音が鳴る。もうすぐ曲がるポイントであることは分かるが、どちらに曲がるかは画面を見ないとわからない。

このように不満点もあるのだが、割りきって使えば実用上はまったく問題ないレベル。また、カーナビとして使うにはいろいろな設定を変更する必要があるのだが、設定を登録して一度の操作で切り替えられるプロフィール機能があるので問題ない。このあたりはインターフェースがよく煮詰められていると感じる。


◆オプションと組み合わせてあらゆる用途に使える

ここまで、登山用のハンディGPSやカーナビとして使えることを紹介したが、本機の機能はこれだけにとどまらない。マリン用、フィットネス用にも使えるほか、サイクルコンピュータにもなる。また、別売のオプションを組み合わせることでその機能を増強することも可能だ。

マリン用途では、別売の水温計、深度計を組み合わせることが可能。また、揺れる船上では本機の三軸電子コンパスが威力を発揮する。通常の電子コンパスでは本体を水平にホールドするのが難しいからだ。

フィットネス用としては、心拍計を組み合わせることで、心拍数をモニタし、運動強度の管理をすることが可能。もちろん、ランニングやウォーキングの速度、コースを表示、記録することもできる。

サイクルコンピュータとして使うにはケイデンスセンサーを組み合わせる。GARMINのケイデンスセンサーは、ひとつのセンサーでケイデンス、つまりペダルの回転数とホイールの回転数を計測することが可能。3〜4万円クラスのサイクルコンピュータと同等の機能を使うことができる。


◆パソコンソフトの“Basecamp”で事前にルートを下調べ

本機には「Basecamp(ベースキャンプ)」というパソコン用の地図データ管理ソフトが付属している。以前のGARMIN製品にはマップソースというソフトが付属することが多かったが、ベースキャンプはマップソースより格段に多機能で、このソフト単独でも利用価値が高いものだ。

ベースキャンプは一般的な地図ソフトとしても使えるだけでなく、山岳地帯の3D表示も可能。また、任意の場所を登録するウェイポイントを作成してOregon450TCに転送したり、Oregon450TCの軌跡ログをベースキャンプに転送して表示するといったことができる。

また、ベースキャンプはBirdsEyeというGARMINのサービスを利用することができる。これは任意のポイントの衛星写真をダウンロードして、Oregon450TCに転送することができるというもの。有料のサービスだがなかなか面白い。

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