北米向けi-MiEV

LAオートショー(ロサンゼルスモーターショー)で初披露された北米向け『i-MiEV』は、見た目からして日本仕様とはちょっと違う。全長3680mmで、全幅は1580mm。日本仕様よりも全長が285mm伸
び、全幅は110mm広がっているのだ。

…と説明すれば「車体の基本はそのままに、全長はバンパーの大型化で伸ばし、フェンダーを張り出しただけの“なんちゃって大型ボディ”だろう…。『パジェロJr.』や『トッポBJワイド』のように」と多くの人は思うことだろう。記者もそうだろうと思い込んでいた。
 
しかし、である。意外なことに北米仕様i-MiEVはそんなお手軽ワイドボディではない。ボディ自体を拡幅していて、室内幅も i-MiEVに対して110mm増し。「正真正銘の幅広ボディ」なのだ。例えるなら、『ワゴンR』に対する『ワゴンRワイド』のようなものである。

車幅を拡大した表向きの理由は「居住性を向上」するためだが、興味深いのはその裏にある“本当の理由”。「側面エアバッグ展開時の北米の安全基準を満たすためにドライバーの頭部から天井付近のトリムまでの間隔を離す必要がある」という事情があるのだ。結果として i-MiEVは北米進出にあたり、専用設計のボディ(左右席間の距離は日本仕様と変わらない)まで開発することになった。

「もちろん社内は、賛否両論ありましたよね。検討に検討を重ね、こうして専用ボディを組み合わせることになったのです」と三菱自動車常務執行役員でEVビジネス本部長の中村義和さん。

i-MiEVの北米進出は、三菱自動車としても極めて挑戦的なのだ。ちなみに全長の延長は前後バンパー変更によるもので、こちらも理由はアメリカの衝突時の基準を満たすため。時速5マイル(約8km/h)以下の衝突ではバンパーだけで衝撃を吸収するために大型化された、いわゆる5マイルバンパーが装着されている。

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