資料を掲げて一元化を迫る猪瀬直樹東京都副知事。撮影=中島みなみ

都営地下鉄と東京メトロ(東京地下鉄)とを一元化するため「東京の地下鉄の一元化等に関する協議会」の第3回会合が16日、国土交通省で開催された。

東京メトロの梅崎壽社長や都営地下鉄の責任者である金子正一郎交通局長も出席しているが、その舌戦の主役は猪瀬直樹東京都副知事と、久保成人国交省鉄道局長のバトル。

久保局長が冒頭で「東京メトロは完全民営化目指すという形なので、統合となれば、何度もお話をさせていただいておりますが、国民の共有財産である株式価値を毀損しないこと、ここが重要」と述べた。

それに対して、猪瀬副知事は「株をいかに高く売るかだけがテーマでなく、利用者の目線で考えて、利用者のためにどうするかということで一元化を進めるのである。株式価値だけを全面に押し出すのはおかしい」と、真っ向から否定して、冒頭から激しい火花を散らせた。

東京メトロの高い収益を強調し、都営地下鉄にも相応の債務圧縮を迫る久保局長に対して、猪瀬副知事は他の鉄道事業者と比較して東京メトロのバリアフリー化など利用者サービスが進んでいないことを数字を上げて指摘。

「メトロの社宅に1万3000円のところがある。経営が健全であるというなら、利用者860万人の利用者が毎日通勤地獄に喘いでいるときに、少しでも混雑率を緩和することが必要ではないか」と、東京メトロの経営姿勢を批判した。

株主の利益確保を代弁する国交省と、利用者の利便性を押し出す東京都という両者の姿勢が際だった協議会となった。

株主の利益を強調する久保成人鉄道局長。撮影=中島みなみ 東西線