東京商工リサーチは、上場企業813社の2010年9月中間決算での為替差損を調査し、その結果をまとめた。

それによると10月29日までに中間期決算短信を発表した上場会社813社のうち、約7割の上場企業が営業利益、経常利益が増益となった。しかし、為替差損合計が為替差益合計の約7.5倍の2695億円に膨らみ、円高が収益の本格回復の足かせになっていることが明らかになった。

業種別では31業種のうち、前年中間期に比べ為替差益が増加したのは証券・商品先物、電気機器など4業種で、21業種で差益が減少した。一方、差損が膨らんだのは21業種で、減少したのは医薬品、食料品、繊維製品の3業種だった。

813社の中間期の売上合計は131兆761億円、前年同期比12.3%増だった。収益は営業利益が同85.5%増の9兆1161億円、経常利益が同117.5%増の8兆2294億円、当期純利益が同142.4%増の4兆6849億円と倍増した。営業利益が増益となった企業は813社中、573社で全体の7割だった。

813社のうち、為替差益を計上したのは54社で、為替差益の合計は355億円。前年同期は107社で、差益合計450億円だった。

為替差損を計上したのは323社で、為替差損の合計は2695億円だった。前年同期は224社で、差損合計は1176億円だった。中間期の為替差損合計は為替差益合計の約7.5倍に達した。輸出産業を中心に円高の影響が深刻さを増していることを裏付けた格好だ。

為替差損が判明した323社のうち、最も多額だったのは任天堂の621億円。中間期の経常利益は黒字予想から一転、大幅赤字を計上した。また、三菱重工業は為替差損140億円を計上したものの、増収効果で為替差損を吸収し、経常利益と当期純利益は前年同期を上回った。富士通は為替差損102億円を計上、コストダウンなどで営業収益が大幅に改善し収益への影響を抑えた。

一方、調査は10月29日発表までで、その後に決算を発表したトヨタ自動車や日産自動車など、自動車メーカーがほとんど対象に入っていないため、円高による業績悪化の影響は、調査よりも大きいと見られる。