昨年9月、埼玉県熊谷市内の市道で赤信号無視を原因とした2人が死亡する事故を起こしたとして、自動車運転過失致死などの罪に問われた32歳の男に対する判決公判が10月26日、さいたま地裁熊谷支部で開かれた。裁判所は被告に対し、懲役8年の実刑を命じている。

起訴状によると、問題の事故は2009年10月23日の午後11時30分ごろ発生した。熊谷市上根付近の市道交差点を進行していた乗用車と軽乗用車が出会い頭に衝突。双方のクルマは大破し、軽乗用車に乗っていた同市内に在住する56歳と27歳の女性が車外に投げ出され、全身強打で死亡した。

乗用車を運転していたブラジル国籍を持つ32歳の男は酒気帯び状態に加え、制限速度を大幅に超過させた状態でクルマを走らせており、現場の交差点にも赤信号を無視して進入していたことがわかった。警察は男を自動車運転過失致死傷や道路交通法違反で逮捕。検察は道交法違反の罪で起訴し、その後に自動車運転過失致死傷でも追起訴している。

被告の信号無視や交差点進入時の速度が争点となっていたが、10月26日に開かれた判決公判で、さいたま地裁熊谷支部の栗田健一裁判長は「事故当時、被告側の信号機は赤。交差点には90km/hで進入した」と認定した。

その上で裁判長は「被告は自動車の運転者として基本的な注意義務を怠り、過失は極めて重大。2人が死亡した結果は取り返しがつかない」として、懲役8年の実刑判決を言い渡している。