韓国内で130万台の大ヒットを記録したETC一体型PND『EN(SEN-100)』。市販価格で30万ウォン(約2万4000円程度)とETCを別に買う必要がない値頃感が受けているという

ITS世界会議では、スマートフォン向けナビゲーションアプリのソフトウェアベンダーは数社出展していたが、PNDメーカーの出展はごく僅か。そのなかで唯一気を吐いていたのはMPEONというSamsongから車載器事業をスピンオプされたメーカーだった。

MPEONは、2005年より韓国版ETCの事業をスタート。行政よりセンターサーバーの運用を委託されたり、5.8GHz帯のDSRC路側器などの製造・納入もおこなっている。また、コンシューマー向けには車載器を製造・販売しているほか、PND事業にも参入し2009年には7インチのETC一体型PND『EN』を130万台売り上げるという記録を達成した。今年に入っても、ETC車載器の韓国内シェアはトップを独走している。

同社のPNDラインアップは7インチのWVGAサイズが基本。価格は30万〜40万ウォンが主流だ。Hi-Martなど韓国の大型家電量販店でも、見かけるのはほとんどこのサイズで、欧米で根強い人気を保っている5インチ以下のPNDは店頭に並べられていないことが多い。

MPEONがラインナップするPNDは現在4モデルだが、ハードウェアはNetLogic社の677〜700MHzクラスのCPUを採用し、メモリはNAND128MB、DDR2が128〜256MB程度。ストレージはSDHCカードで4-16GBとおおよそ似たようなモノを採用している。

マーケティンググループ テレコミュニケーション・ネットワーク部門のウォン・ヤンミン氏は、「当社の購入層は30代から40代で、20代は主要な層ではない。Bluetoothリモコンなど、スマートフォントの親和性の高い機能が最近のトレンドだ。筐体デザインのみならず、グラフィカルユーザーインタフェース(GUI)の設計にも特に力をいれており、iF communication design awardを初めとして韓国内外のデザイン賞も多数受賞している」という。他社との差別化としてもGUIを初めとするユーザーエクスペリエンス重視の商品企画をおこなっているということで、「各種デザイン賞もユーザーへのアピールポイントになっている」と胸を張る。

日本ではポピュラーになりつつある通信機能についてはまだ未対応で、FM-VICSに相当する交通情報が受信できる程度。また、どの端末にもジャイロや加速度センサーなどセンサーは付いておらず、日本で重視される自車位置精度の正確さや渋滞情報にはそれほど力を入れていないという印象を受けた。その一方で、ポリゴンを用いた3D地図や各種ゲームを利用できたり、Bluetoothによるリモコン機能に対応するなど、日本とは若干異なる方向性で進化を遂げているようだ。

『EN(SEN-100)』の背面。右側にETCカードの挿入口がある。「Hi Pass」は韓国版ETCの愛称。 ETCユニット部分は脱着が可能。 PNDでもポリゴンを使用したリアルな3D表示がトレンドだ 交通情報を受信して画面下に表示する MPEON ブース 新モデル『UFO(SEN-230)』の側方から。どの端末も非常に薄い。 スマートフォンに専用アプリをインストールしてBluetoothをペアリングすればリモコンとして利用が可能 ナビのメニュー画面 スマートフォンでPNDを操作 もちろんハンズフリー機能があるが、運転中のため切らざるを得ない場合は発信元へSMSを送る機能もある。 MPEONの商品が受賞したアワードの数々。デザイン系の賞が多い。敢えて狙っているのだとか。 MPEON ブース