現在同点でトップに並ぶオリベイラ(左)とロッテラー。もちろん、彼らが王座最短距離にいる

11月6〜7日に鈴鹿サーキットで開催される第7戦が、いよいよ今季のシリーズ最終戦となる「全日本選手権フォーミュラ・ニッポン」。

2勝目達成者が生まれない混戦のまま、6人のウィナー全員にタイトル獲得のチャンスが残った状態で、シーズンのクライマックスを迎えることとなった。

王座獲得の可能性を有するのは下記6名。
ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ/36点※
アンドレ・ロッテラー/36点
小暮卓史/31点
ロイック・デュバル/28点
平手晃平/24点
大嶋和也/21点
※高得点回数の比較で、現状はオリベイラが首位。

通常、Fニッポンは距離200〜250kmの決勝1レース制だが、最終戦は短い距離の2レース(レース1:20周=116.14km、レース2:28周=162.60km)を戦う。そして土曜の公式予選はノックアウト方式で行なわれるが、Q1の結果がそのまま翌日曜のレース1のグリッドとなり、Q2〜Q3まで経た“通常の予選結果”がレース2のグリッドとなる。

そしてポイント配分だが、各レースの決勝2〜8位には通常の半分のポイントが入る(2位なら8÷2=4点)。優勝者には3点のボーナスがあり、つまり(10÷2)+3=8点とれるのだ。ポールポジションの1点も両レースに対して個別に設定されるので、最大可能得点は18。

誰かが18点を得た場合、他の誰かの得点は最大でも2位+2位で8点だから、トップと10点差までが自力挽回圏内ということになる。平手(インパル・トヨタ)と大嶋(トムス・トヨタ)の逆転には他力が必要となるため、彼らは少々厳しい状況と考えざるを得ないだろう。

もちろん、王座最短距離にいるのはトップ並走のオリベイラ(インパル)とロッテラー(トムス)だが、彼らにとってお互いの存在以上に恐いのは、現在4番手のデュバル(ダンディライアン・ホンダ)かもしれない。6人中唯一のタイトル経験者で、チーム移籍を挟んでの連覇を目指すデュバルは第4戦のウィナー。続く2戦では不運もあって勝利を逃しているが、本人が「シーズン中盤から、我々のマシンパッケージはとても速い」と言うように、現時点での仕上がりでは、おそらくナンバー1。「18点獲ればいいんだ。なんだって可能な状況だよ」と、自力逆転に手応えを感じている。

悲願の王座獲得に向け、こちらも自力の目を残す小暮(ナカジマ・ホンダ)だが、前戦オートポリスでマシンセッティングに苦しんだ点が気がかり。しかし、担当エンジニアは開幕戦で勝っている鈴鹿へのいいイメージを活かし、「開発費のケタが違うF1マシン、山本左近選手のヒスパニアより予選で速く走る」ことを目標に反撃を誓う。開幕戦の小暮のポールタイムは1分38秒917、日本GPでの左近の予選タイムは1分37秒365。冗談まじりとも思えるコメントではあったが、不可能ではない、か?

小暮本人はオートポリスでのレース後、「とにかくもう、チャレンジャーの気持ちで。ポールを獲って、なんとかいきます!」と、逆転に向け、気合いを込め直している。

泣いても笑ってもここで決着がつく。最後の一戦ならぬ“最後の二戦”は、F1日本GPから約1か月後の鈴鹿が舞台。Fニッポン最終戦で、もう一度、鈴鹿が熱く燃えあがる。

開幕戦勝利以降、野球でいう「スミ1」の状況の小暮陣営。勝っている鈴鹿で巻き返したい。目指すはF1左近のタイム? シーズン中盤からのマシンの速さでは、ピカイチの存在がデュバル。2連勝での自力逆転で連覇を狙う 第3戦優勝、第4戦3位と、夏場にポイントを稼いだ平手。ここ2戦はマシントラブルに苦しんでいるが、王座の可能性を残している 第5戦で初優勝した大嶋。彼にも逆転タイトルの可能性が残されている 第6戦予選でのロッテラーのストップにまつわる“事件”の再発を防ぐため、ドライバー協会(FRDA)も“選手会長”の石浦宏明を中心に、積極的な動きに出ている。彼らの望むかたちでのルール改正が最終戦までの中2週で実現するかどうかも、注目されているのだ スタートで混乱 オートポリス 表彰式