RCZ

見て乗って降りてまた見て心ときめき……、なんてクルマに出会う機会がめっきりと少なくなってしまった昨今。調子っぱずれの高額車ならいざ知らず、リアリティある選択肢(特に国産銘柄)の中ではもう絶望的かも、とまあクルマ好きの筆者は嘆いてみたり。別にエコカーでも楽しめればそれでいいのだけれど。

プジョー『RCZ』、そんななかでは大アタリ。あの顔立ちには未だ慣れない(早く次世代顔にならないかなあ)けれど、ダブルバブルのルーフとリアウィンドウはめちゃくちゃ格好いい。アルミニウムのサイドアーチも“光り物”好きにはブッ刺さる。

乗ってみて、トータルバランスで優れていた(ので皆サンにオススメする)のは右ハンドル/アイシン6AT/ノーマルホイール(18インチ)だと思った。が、アシの動きの上質さとスポーツカー気分が盛り上がるという点で、左ハンドル/6MT/19インチを強く推す。フラットすぎず自然なノリで古典的な軽快ハンドリングは、『シロッコ R』とタメを張るデキ。

買ってからはもちろん、買う以前のプロセスをも楽しませてくれるクルマが本当のスペシャリティというものだ。久々にカタログやプレス資料を隅から隅まで、写真の間違いを見つけてしまうほど読みこんだ。

セットオプションやカラーコーディネートをアレコレ考えつつ、これで内装の色がもっと派手だったら尚良かったのになどとつぶやいて、6MT車にシャンパンゴールドのアーチが付かないことをとても残念に思ったりもした。そういう瞬間もまたクルマ選びの楽しさだと言うことを、もう一度、伝えていきたいな、と思った次第。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

西川淳|自動車ライター/編集者
産業から経済、歴史、文化、工学まで俯瞰して自動車を眺めることを理想とする。高額車、スポーツカー、輸入車、クラシックカーといった趣味の領域が得意。中古車事情にも通じる。永遠のスーパーカー少年。自動車における趣味と実用の建設的な分離と両立が最近のテーマ。精密機械工学部出身。

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