矢野経済研究所は、リチウムイオン電池世界市場に関する調査を実施し、その結果をまとめた。

調査は今年1〜9月にかけてリチウムイオン電池メーカーを対象に同社専門研究員が聞き取り調査などを行った。

調査結果によると、2010年度のリチウムイオン電池の世界市場は、市場を牽引してきた携帯電話、ノートパソコンなどのポータブル機器向け需要は回復しつつあるのに加え、車載用をはじめ、中・大型リチウムイオン電池需要も出始めたことから、市場は再び成長軌道にのっていると分析。世界市場規模は前年度比約12.6%増の1兆949億円を見込む。

今後についてはポータブル機器向け需要は、緩やかながらも増加していく見込みで、スマートフォンやタブレット型PC、電子書籍端末など新たなポータブル機器需要によって小型リチウムイオン電池需要は今後も底堅い見通し。

また、2011年度から2013年度にかけて電気自動車やプラグインハイブリッド車、ハイブリッドカーなど、リチウムイオン電池を搭載した電動車両が各自動車メーカーから一斉に販売される見込み。これに伴ってリチウムイオン電池の大幅な需要増加が見込まれており、2015年度のリチウムイオン電池世界市場規模は3兆560億円と現在の3倍近くに拡大を予測する。

このほか、アプリケーションとして電動工具、電動バイク、電動アシスト自転車、医療用など、ポータブル機器以外の中・小型用途や、スマートグリッド関連の蓄電用途、バス、トラック、電車、建機などの大型車両や無停電電源装置(UPS)など、産業用途の中・大型リチウムイオン電池の搭載事例が相次いでいる。これらの発展途上のアプリケーション市場のうち、特に産業用途が2015年度以降の需要拡大を予想している。