昨年6月、神奈川県横浜市都筑区内で乗用車同士の衝突事故を起こした際に歩道へ乗り上げ、信号待ちをしていた看護師3人を死亡させたとして、自動車運転過失致死傷罪に問われた19歳の少年に対する論告求刑公判が8日、横浜地裁で開かれた。

検察側は裁判所に対して禁固5年以上7年以下の不定期刑を求め、公判は同日で結審している。

起訴状によると、問題の事故は2009年6月1日夜に発生した。横浜市都筑区茅ケ崎中央付近の市道を走行していた被告少年の運転する乗用車が赤信号の交差点に進入。対向車線側から青信号に従って右折してきたワゴン車と衝突した。

被告の乗用車はスピンしながら道路左側の歩道に乗り上げ、信号待ちをしていた女性3人(当時31、43、49歳)をはねた。女性はそれぞれ数m弾き飛ばされ、全身を強打してまもなく死亡。右折車を運転していた41歳の男性も打撲などで全治20日あまりの重傷を負った。

被告は現行犯逮捕され、その後に自動車運転過失致死傷の非行容疑で横浜家裁に送致されていたが、家裁は検察官送致(逆送)を決定。横浜地検はこれに基づき、少年を同罪で起訴していた。

これまでの公判で少年側は「信号を確認したのは交差点の20〜30m手前であり、そのときのスピードでは止まれないと判断して交差点に進入した」として、「信号看過」を主張。信号無視を主張する検察側と真っ向から争っていた。

これを受け、検察側は論告を前に主張を変更。これまでは「被告は交差点の手前44mで黄色信号を認めていたにもかかわらず、これを無視して進行した」と主張していたものを「信号は黄や赤を表示していたが、被告はこれを看過して進行を続けた結果、事故に至った」に変更した。被告の主張に沿ったものだが、これよって被告は反論の柱を失われ、内容を認めている。

論告で検察側は「被告は最大で6秒間に渡って信号を見ずに進行し、結果として黄色や赤の信号表示を看過した」、「事故の直前に右足を負傷し、事故当時は慣れない左足でペダルを踏んでいた」として、「危険で悪質極まりない」と指摘。裁判所に対して禁固5年以上7年以下の不定期刑を求めた。

これに対して被告弁護側は「被告は事故を真摯に受けとめ、反省している」と主張。被告が未成年であることから、裁判所には寛大な判断を求めた。