富士経済は、市場の急拡大が見込まれている太陽電池に関連する市場調査を実施し、その結果を報告書「2010年版太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望 上巻:太陽電池・部材/原料市場編」にまとめた。

上巻では、太陽電池と部材/原料の現在と将来の技術・市場動向を分析した。下巻では、製造装置や周辺システム機器などの技術・市場に加えて、国別市場環境など需要側の動向を調査分析する。

調査結果によると、太陽電池市場は2009年が1兆6801億円で、2010年には2兆1187億円に成長する見通し。さらに2025年には8兆9978億円と、2009年の5倍以上に拡大すると予測している。

イタリア、チェコ、ベルギー、アメリカ、フランスなどで太陽光発電システムの需要が増加しており、価格が下落してきたこともあって当面は、これら新興需要地が市場拡大を牽引するとみられる。

太陽光発電システムの単年導入量トップ5カ国のドイツ・イタリア・日本・アメリカ・チェコが世界需要量の8割を構成している。5カ国の需要が拡大傾向にある上に、中国やインドが太陽光発電システムの導入量増加に向けて動き始めている。また、アフリカや南米、中東など、日照条件が良好で太陽光発電に適した地域でも中長期的に需要が拡大する見通し。

現在主流の結晶シリコン太陽電池は販売価格の下落でさらに拡大する見通しだが、中長期的にはコスト削減余地の大きい薄膜太陽電池との競争が激化すると予測。薄膜シリコン太陽電池は製造コストが安く、レアメタルを使用していないことから変換効率の向上とさらにコストダウンが進めば、優位になる見通し。

CIGS(Copper Indium Gallium DiSelenide)太陽電池は変換効率が高く、幅広い用途に応用できる。普及には製造コストの低減が課題となる。CdTe(カドミウムテルル半導体:CdTe)太陽電池は、製造コストは安いものの、有害物質のカドニウムを含むことが普及の壁になっており、今後もシェアの低下は避けられない見通し。