エクストレイル  20GT

ディーゼルATは、欧州仕様の『エクストレイル』には昔からあった。でも2年前に基本が同じ兄弟車『デュアリス』に乗った印象はイマイチだった。M9Rエンジンがガラガラ音を響かせるのはアイドリング付近で、2000rpmも回せばスムーズなのに、ATは燃費重視なのかアクセルを離すとストンとアイドリングに落ちる。おかげで加速のたびにガラガラいうし、レスポンスは悪いし、ネガばかり印象に残った。

ところが1年後、やはり兄弟車のルノー『コレオス』に乗ってみたら、その悪癖が一掃されていた。ようやく日本で発売されたエクストレイル20GT・6ATも同じだ。アクセルを離しても回転が落ちないので、再加速をリニアに、ガラガラいわずにやってのける。以前から評価の高いMT車と同等の、エコでトルキーな加速が楽しめる。しかも踏めば5000rpmまでストレスなく回る。これなら遅れてきた甲斐がある。熟成の旨みを感じるからだ。

ディーゼルは動弁系が重いので吹け上がりがおっとりしているけれど、エクストレイルは身のこなしもゆったりしているので、帳尻が合っている。ただここまでいいと、デュアリスや『セレナ』などにも展開してほしいところ。欧州みたいに趣味や目的に合わせて好きなエンジンを選べる状況を作り出してほしい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★★

森口将之|モータージャーナリスト
試乗会以外でヨーロッパに足を運ぶことも多く、自動車以外を含めた欧州の交通事情にも精通している。雑誌、インターネット、ラジオなどさまざまなメディアで活動中。著書に『クルマ社会のリ・デザイン』(共著)、『パリ流 環境社会への挑戦』など。

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