訪日中国人の購入商品、トップはデジタルカメラ

矢野経済研究所は7日、2009年の訪日中国人が日本に与える経済規模を1379億円と推計した調査結果を発表。中国人の観光ビザ発給要件の緩和などが追い風となり、今後も訪日中国人数は増加する見通しで、同研究所は2015年の同経済規模を5599億円と予測した。

●中国人観光客が日本で買い物した商品の1位はデジタルカメラ

調査では、上海、北京、広州在住の過去1年以内に訪日経験がある中国人男女300名を対象に、日本で購入した商品について聞いたところ、「デジタルカメラ・付属品」という回答が60%と最も多く、次いで「化粧品」が41%であった。デジタルカメラのケースや化粧品は、知人や家族へのお土産用としてまとめ買いされるケースも見受けられる。

中国人観光客は宿泊費や飲食費よりも物品購入費に費用をかける傾向があり、日本国内に与える経済効果としても、物品購入費の割合が大きい。一般的に欧米人は日本の伝統工芸品のような土産物に興味を示すが、中国人は日本のファッション関係や化粧品、家電に強い興味を示すといわれる。

また、中国人観光客の客単価は日本人の数倍程度といわれ、訪日中国人の旺盛な買い物意欲の背景には、日本で販売されている製品への信頼がある。また、面子を重んじる国民性もあり、家族や知人の分も含めてまとめ買いすることも多いとされる。

●ゴールデンルート出入り口に注目

現在、中国人観光客向けツアーの多くが、大阪と東京を結ぶ“ゴールデンルート”を巡るとされる。これは東京の成田空港から入り、大阪の関西国際空港から帰国するケースと、その逆ルートをとるケースがあるが、中国人観光客の大半が東京・大阪間を移動している。そのため、出入り口となる空港周辺は重要なショッピングスポットであり、2013年には成田空港周辺に大型アウトレットモールの出店が計画されている。

不況やデフレ、少子化等で日本市場の拡大が見込めない中で、国内の小売業界は訪日中国人の消費力に高い関心を示しているが、今後、拡大が見込まれる訪日中国人の消費需要を取り込むためには、限られた時間内で効率的に買い物ができるように、外国人スタッフの配置やまとめ買いに対応できる在庫の充実等が求められる。一方で、中国人客をはじめとする外国人客を重視した店舗作りばかりに重きを置きすぎると、従来からの日本人客が離れる可能性も考えられる。そのため、店舗作りのバランスが非常に難しく、今後の課題となると報告書ではまとめている。

訪日中国人が日本に与える経済規模推移