代表取締役社長の藤原洋氏

「ガイナーレ・ソーラープロジェクト」を先導するナノオプトニクス・エナジーの代表取締役社長である藤原洋氏は、「鳥取県は大きな目標を立てている。ナノオプトニクス・エナジーは、民間企業としてその具体策を提示していく」と鳥取県を初めとした地元との連携を強調した。

鳥取県は、「とっとりグリーン・ニューディール」を掲げている。これは、「環境」をキーワードとして、県内で培ってきた技術や企業誘致などにより、鳥取県の成長を実現させるというもの。具体的には風力発電や太陽光発電などの自然エネルギーの活用とスマートグリッドの実現などを目指している。

藤原氏は鳥取県について、「風力発電のメッカであり、太陽光発電がもっとも普及しやすい場所だと考えている。ガイナーレ・ソーラープロジェクトでは、スマートグリッドも組み合わせて、鳥取県を世界最先端のクリーンエネルギー地域にしたい」と思いを述べた。

ガイナーレ・ソーラープロジェクトが展開される鳥取県は、人口が約59万人、世帯数は21万で、そのうち16万世帯が一戸建てだ。ガイナーレ・ソーラープロジェクトの個人向け事業では、この16万世帯の一戸建てがターゲットになる。

鳥取県における家庭用太陽光発電設備の設置状況だが、累計1990件で合計7807kW。都道府県別では43位と低い数字だ。これは鳥取県が日照時間が短いことが原因と思われがちだが、東京とほとんど変わらないというデータがある。そのため、「鳥取県も家庭用太陽光発電設備の設置の余力はある」と自信を見せた。

また、自治体や企業、工場など大規模な太陽光発電設備いわゆる「メガソーラー」も積極的に展開する。そのため、「日本で唯一、メガソーラーの発電所を手がけた国際航業グループと連携する」としている。

しかし太陽光発電設備は、莫大な初期費用がかかるという大きなハードルがある。政府や自治体の補助金があるとはいえ、一戸建てでは200万円程度、自治体や学校、企業では数千万円の初期投資が必要だ。そこで、地元を中心とした金融機関と共同で太陽光発電設備の初期費用が借りられる「ソーラーシステムローン」も展開する。ソーラーシステムローンは、売電収入を返済に充てるというローン。「おおよそ10年で返済が終わる」という目安だ。

このような取り組みにより、「2011年度には1000世帯、売り上げは15億円を目指す」との目標を掲げた。さらに、「鳥取県では10年間で2万世帯相当にソーラー発電設備を設置することを目標にしているが、ガイナーレ・ソーラープロジェクトで10年で10万世帯相当に設置できるのではないか」という予測も示した。鳥取県には約16万世帯の一戸建て住宅があることを考えると大きな数字だ。

ガイナーレ・ソーラーの収益の一部を、鳥取県を本拠地とするサッカークラブ「ガイナーレ鳥取」にブランド使用料として支払うという仕組みも同プロジェクトの注目すべき点だ。ガイナーレ鳥取は、JFLに加盟しているサッカークラブ。現在、首位でこのまま行けば来シーズンはJリーグに昇格できる位置にいる。「ガイナーレ鳥取は地元の夢。しかし、財源は潤沢ではないので、ガイナーレ・ソーラープロジェクトで夢をかなえるための資金を集めたい。最終的には、J1に上がれるくらいの支援をしたい」との思いを述べた。

なおナノオプトニクス・エナジーは、鳥取県米子市の旧JTの工場にてEVの製造を手がけることもすでに発表している。「事業規模はEVが一番大きく、太陽光発電の10倍の規模になるのではないか。EVは立ち上げに時間がかかるので、まずは太陽光発電設備から手がける」とする。

ガイナーレ・ソーラーの製造は、旧JT米子工場を使い、9月中旬から製造を開始。10月には受注を開始して、ガイナーレ・ソーラーの第一号設置は11月ごろになると思われる。