フランスで開催される塗装技術者のコンテストに日本代表として出場する永塚伸洋氏のデモ

ドイツBASF社が主催する塗装技術を競うコンテスト「R-Mベストペインターコンテスト国際チャンピオンシップ」がフランスで開催される。10回目を記念する今回は世界17か国からの参加を集め、日本からも栃木県宇都宮市のホンダボディーサービス栃木に所属する永塚伸洋さんが代表選手として選ばれた。

ボディ塗料の分野では、人体へ影響のある揮発性有機化合物(VOC:volatile organic compounds)を含む溶剤系塗料から水性塗料への転換が世界的に進んでいる。日本では完成車メーカーの塗装工程の水性化が急ピッチで進められている一方で、アフター分野、つまり修理業者においては、まだまだ普及が進んでいない。

油性塗料と水性塗料、その違いは、塗料を溶かすのに有機溶剤を使用するのか、水を使うのかの違いとなる。どちらの塗料も、乾燥してしまえば強度や耐久性に関しては同等になりネガはない。ただ、水性塗料の普及に関して一番のネックとなるのが乾燥するのに時間がかかることだという。多湿の日本では、乾燥性能に優れた塗装ブースの導入によって解決する。

今回日本代表として出場する永塚伸洋さんは、水性塗料の作業性について「水性は難しいと言われていましたが、問題が発生するたびBASFのサポートを受けながら解決していき、逆にハードルは低いと思いました」といい、「有機溶剤を使用していた時は手がガサガサになっていましたが、水性塗料に切り替えてからは手あれがしなくなりましたね」と人体への影響に関しても水性塗料の優位性を実感したと語る。

コンテストの実技においては、塗装の仕上がりに関しては塗膜の均一性のほか、いかに少ない量の塗料で仕上げられるかなどがみられ、また、色の調合から、塗り作業、使った道具の洗浄作業まで、作業の効率性までもが審査される。

今回、塗装作業を見学させてもらったが、塗料の調合作業中などでも、溶剤系塗料のような刺激臭はしない。また、使用する機材の洗浄も水で良いため、排水においても簡便なシステムで良いという利点もある。環境面、健康面、そして性能のトータルで考えると水性塗料を採用するメリットは大きい。

BASF社にとってこのコンテストは、参加者による作業をとおして、水性塗料製品自体のテクノロジーや作業性について知ってもらいたい狙いがある。普及が遅れているアフター分野の水性化は環境面からも求められている。

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